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設計士が語る
建築をつくることは、未来を紡ぐこと。当社の設計士が、それぞれの視点から「理想の建築」と「真摯な仕事」について語ります。
設計は土地からの無言の訴えを翻訳する作業
■ 設計部 美並 啓嗣

設計という仕事に惹かれたきっかけを教えてください。
始まりは子供の頃の砂遊びだったかもしれません。誰よりも巨大な城を作り、周囲を驚かせるのが好きでした。今思えば、カタチのないものから「場所」を生み出す喜びに、その頃から取り憑かれていたのでしょう。
公共・商業施設という「大きな建築」に携わる魅力とは?
特定の誰かではなく、何世代にもわたる「顔も見えぬ誰か」の日常を支える。そのスケールの大きさに抗いようのない魅力を感じます。建物が完成した瞬間が最高なのではなく、10年後、20年後に風景に馴染んでからが、その建築の本当の本番だと思っています。
設計において「美しさ」をどう定義されていますか。
私にとっての美しさとは、無駄を削ぎ落とした末に残る「必然性のカタチ」です。数学の解答のように「それ以外あり得ない」という境地。それを導き出すために、敷地に立ち、風の声を聞き、土地が何を求めているかを翻訳する作業を何よりも大切にしています。
チームや現場との連携で大切にしていることは?
私はオーケストラの指揮者のような存在でありたい。構造や設備のプロという「名演奏家」たちが、最も輝けるステージを整えるのが仕事です。迷った時はいつも「この建物を利用する未来の子供たち」を裁判官にします。そうすれば、大人の事情は大抵解決するものです。
美並さんにとって「設計士として生きる」とはどういう意味を持ちますか?
誰かの人生の一部を「空間」というカタチで支える、究極の裏方であり、黒子であること。これが私にとっての矜持です。自分が引いた一本の線が、現実の空間となり、誰かの「日常の背景」として溶け込んでいく。世界の解像度を上げて生きる、という責任ある仕事だと感じています。
50年、100年後にそのまちに馴染むような設計を
■ 設計部 木村 聡

木村さんはどのようなきっかけで設計の道へ?
私は「子供の頃からの夢」というよりは、大人になって進路を考える中で、住宅を見ることへの興味が仕事に繋がっていったタイプです。目の前の課題に向き合ううちに、自然とこの道が自分の軸になっていました。
実務において最も重視しているポイントはどこでしょうか。
「スケジュール管理」と「コスト・安全性・デザインのバランス」です。機能性はマスト。その上で、お施主様の要望をどうカタチにするかを総合的に判断します。初期段階で無理にコンセプトを固めすぎず、打ち合わせを重ねる中で「正解」を見つけていくスタイルを大切にしています。
現場や利用者への視点で意識していることは?
利用した方が「居心地が良いな」とふと感じてくれる場所を一つでも造りたい。最近では、パウダールームや男性トイレのベビーシート設置など、これまでの設計では見落とされがちだった「細やかな配慮」が当たり前になりました。完成した施設内で、利用者の皆さんがどんな表情をしてすごしているのか、つい観察してしまいますね。子供が走り回っているのを見ると、嬉しい反面、怪我をしないかハラハラして見守ってしまいます。
経営理念「つなぐ。つむぐ。つづける。」をどう体現していますか。
先代から教わった確かな技術やディテールをお客さんとの繋がりと共に次に引き継ぐこと、それが私の役割だと思っています。50年、100年後にそのまちに馴染むような建物を設計することもそうですし、資源の有効利用や廃棄物削減という観点から、用途は変わっても、長く使ってもらえる建物にしていくことも、この理念を体現できると考えています。
これからプロジェクトを共にするお客様へのメッセージをお願いします。
設計は時に産みの苦しみもありますが、「あっ、こんな風にしたい」という閃きがカタチになる瞬間があります。ですから私自身は「とにかく、がむしゃらに、そして楽しむ」という言葉を大切にして仕事に向き合っています。最新の技術を使いつつも、それだけでは補えない「経験」を大切に、お客様が図面を見て「これいいですね」と笑顔になっていただける瞬間を積み重ねていければと思います。
