大宇陀町心の森 多世代交流プラザ
設計趣旨
計画地は、奈良県の北東部、大和高原の南端に位置し、穏やかな山並みと豊かな自然に囲まれ、古くより阿騎野(狩場)として万葉集にも詠われ、歴史、文化の香り高い環境にある。
大宇陀町は、「人間性豊かな活力ある田園都市」をめざし、さまざまな施策を進めるなか、当施設の周辺約16万平方メートルを総合福祉ゾーンと位置づけ、その中核施設として、心の森多世代交流プラザを計画した。
施設は、日量230tの豊富な温泉を中心とした、遊ゾーンと保健ゾーンにより構成され、子供から高齢者まですべての人々が自由に集い、憩える空間をめざし計画を進めた。
公園のシンボルとなる円錐形の屋根に、和のひろがりを求め、この求心性と、横に長く延びた水平線で構成した本館棟との対比により時の流れを表現し、人々を魅了する美しい自然との呼応、また阿騎野の原点である文化と歴史性を想い、洗練されたイメージを高めることにより、未来への架け橋となるデザインを追求した。
当地の象徴である“かぎろひ”とともに、永く人々に愛されていくことを願っている。
所在地 | 奈良県宇陀郡大宇陀町(現:宇陀市大宇陀) |
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用途 | 保健・福祉施設 |
建築主 | 大宇陀町 |
構造・規模 | S造 一部RC造 地上1階・地下1階 延床面積2,534平方メートル |
竣工 | 1997年07月 |
備考 | 第26回建築士事務所全国大会 優秀賞・第9回奈良県景観調和デザイン賞 奨励賞 |