曽爾村立曽爾中学校校舎・体育館
設計趣旨
当施設は、平均気温18度と、高原冷涼多雨地帯で、のみで削ったような柱状節理の岩壁、迫力たっぷりの渓谷、さわやかな風のそよぐ曽爾高原など、素朴な自然に囲まれた高台にあり、生徒数は90名余りと、少数校である。
村の長期総合計画の軸である「ゆとりと、うるおいのある村づくり」を基本に、村おこしの拠点となる施設をめざし、飛躍と温もりをテーマに施設イメージを高め、計画を進めた。
当校の中心的位置づけにあるコミュニティゾーンに、施設のシンボルとして、地域交流の核となる、八角形で構成された多目的ホールを配している。
ホールは、自然との対話が十分楽しめるよう開かれた形態とし、展示会や集会など地域の人々が利用しやすく、また1年を通して、床の上で談笑できるよう、床暖房も完備されている。
校舎の中央部には、自由で多目的に活動のできる中庭を設け、両側には大きな吹抜けをもった談話コーナーや展示コーナーを設けている。この空間は、少ない生徒たちであっても、つねに人を感じ、活気と温もりをもたらしてくれるものと期待している。
所在地 | 奈良県宇陀郡曽爾村 |
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用途 | 中学校 |
建築主 | 曽爾村 |
構造・規模 | RC造 地上2階 延床面積4,379平方メートル |
竣工 | 1997年03月 |