ギャラリー

喜光寺 仏舎利殿

設計趣旨

佛舎利殿は創建1300年を迎える喜光寺境内に、信者の永代供養を目的に計画された堂である。
喜光寺は平城京跡に位置し、既存建物は室町時代に再建された本堂、平成に建立された南大門がある。
風格と威厳のある既存環境との調和の実現と、穏やかな気持ちで参拝できる空間の確保に向けて計画を進めた。
参拝者が見る既存伽藍の風景を守り、同時に佛舎利殿を正対して認識出来る配置とし、高さを抑えた宝形屋根で伽藍の開放感を維持し、既存環境との調和を図った。
外観は「簡素と対称」を主題とし、伝統的手法を取り入れながら不要な模造を排除し、飾り気のない自然体で既存建物を引き立てると同時に現代の付加価値を持たせた。
内部は仏の領域として本尊の鎮座と千体佛を張り巡らせた荘厳な空間とした。
千体佛は永代供養の扉となり、内部意匠と主用途の根幹をなす。
宇宙を表現したドーム天井には100万個の星を投影し、信者や地域住民たちが交流を深められる場とした。

所在地奈良市菅原町
用途寺院
建築主喜光寺
構造・規模鉄骨造 平屋建
竣工2021年02月