ギャラリー

久保本家酒造改修

設計趣旨

歴史的町並みが残る大宇陀町の中心に位置する、1702年(元禄15年)創業以来300年以上の歴史ある蔵元の蔵と母屋の一部改修である。町の一部、アルコーブ(溜り場)となり、観光者や地域住民に対して回遊・散策などの「ぶらり空間」を築くことをコンセプトとして計画した。
改修する個所に関しては、可能な限り現状の素材を利用し、そこに刻まれた歴史とその意図をそのまま継承することを基本概念に、腐食が激しい個所、構造的に不利な個所、新規に設ける構造体などは「モチーフ」としての古素材は使わず、「本当の素材」を使用し、現在が過去になった時にもその表情が成長している「補修」を行った。
長い歴史を持つ味わい深い古木・土壁と、新しく補われた木・白漆喰・土床を共存させ、時代と共に「成長」する空間を目指した。

所在地奈良県宇陀郡大宇陀町(現:宇陀市大宇陀)
用途ギャラリー
建築主株式会社久保本家
竣工2004年03月