音声館
設計趣旨
本施設は奈良町の南西部に位置し、失われつつある伝統的な芸能やわらべうたの調査、研究並びに普及を行う拠点として計画されたものである。
奈良町は高密度な市街地に高機能な都市型住宅の町屋で形成され、小路が導く「通り」から、人々が集えるような「広がり」への変化を感じる空間を求め、「緊張」と「やすらぎ」の対話をテーマに計画を進めた。
館の構成は伝統的な建築様式である「表屋造形式」を基本に、3つのゾーンにて形成している。「表屋部」には奈良町を散策する人々が立ち寄りたくなるようなオープンスペースを設け、周辺環境と調和の取れたデザインを心がけた。また、多層に重なり合った屋根、東西南北に変化をもたせた3つの棟は、ボリューム感を抑えようとした意匠の基本となっている。
所在地 | 奈良県奈良市鳴川町 |
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用途 | 集会場・ホール |
建築主 | 奈良市 |
構造・規模 | S造 地上2階 延床面積1,195平方メートル |
竣工 | 1994年10月 |
備考 | 第20回建築士事務所協会全国大会 優秀賞・第6回奈良県景観調和デザイン賞 奨励賞 |